トランス事業部

用語の説明

用語の説明

定格に関する用語

定格

トランスを使用する上で、保証された限度。
使用上必要な容量、電圧、電流、周波数、力率について設定します。

定格周波数

その周波数で使用されるようトランスが設計された周波数で、50Hz/60Hz共用、50Hz用、60Hz用があります。

定格容量

定格周波数・定格電圧を加え、温度上昇の限度を超えることなく使用できる容量。
これにより2次側の定格電流が決まる。
電圧と電流を掛け合わせたVA(ボルトアンペア)で表せる。容量計算を参照

1次電圧

電源を接続する側のコイルの定格電圧。
1次側にはP(Primary)と表示する場合がある。
端子記号にはU、V、Wなど大文字が使用される。

2次電圧

負荷を接続する側のコイルに出力される定格電圧。
2次側にはS(Secondary)と表示する場合がある。
端子記号にはu、v、wなど小文字が使用される。

効率

定格2次電圧及び定格周波数における有効出力と(有効出力+全損失)の比をいい、百分率で表す。
たとえば、H種三相20kVAでは約96%で、容量が大きいほど効率は良くなる。
損失には、無負荷の状態で発生する鉄損 (鉄心により失われる損失)と、
負荷をかけたときに発生する銅損(コイルなどにより失われる損失)がある。

タップに関する用語

タップ

入力または出力の電圧を変えるために、コイルから取り出される端子。

基準タップ

定格容量、定格電流など定格値の基準となるタップ。
定格電圧の前に記号Rを付けて表す(JEC-2200変圧器)

例)R200V

全容量タップ電圧

指定された温度上昇の限度を超えることなく、定格容量の範囲内で電流を上げて使用できるタップの電圧。電圧の前に記号Fを付けて表す(JEC-2200変圧器)
例)F220V R200V F180V

低減容量タップ電圧

指定された温度上昇の限度を超えることなく使用するためには、
電量を下げて使用しなければならないタップ電圧。

一般的な用語

乾式自冷

鉄心とコイルが空気中で使用され、自然冷却されるもの。
油入、強制冷却に対していう。

混触防止板(静電シールド)

1 次コイルと2次コイルの間を薄い銅版でシールドし、アース端子を設けたもので、これをアースすることにより、万一トランス内の1次の絶縁が破壊されても2次側回路の電位上昇を防ぐことができる。
また、雷インパルス電圧などに対しても2次側の異常電位を低くすることができる。

複巻トランス

1 次側と2次側が別々のコイルからなり、電気的に絶縁されているトランスです。(絶縁トランス)

オートトランス(単巻変圧器)

1 次コイルと2次コイルの一部が共用されており、電気的に絶縁されていないトランス。

2 次側にも1次側と同じ対地電圧が生じる場合があります。

スコットトランス(スコット結線変圧器)

三相回路から単相2回路を取り出すスコット結線のトランス。
単相2回路は位相がそれぞれ90°ずれた二相となり、2次側(単相2回路)が平衡していれば、
1次側(三相回路)も平衡する。
(単二出力回路の場合、位相の関係で単三結線でのご使用はできません。)

逆 V トランス

三相回路から大容量の単相1回路を取り出す逆V結線方式のトランス。
1次側(三相回路)には不平衡電流が流れる。
(1次側のV相の電流はU、W相の2倍の電流となる。)